Q:ドメイン移管の手順を教えてください
ドメインの移管(ドメインの管理者を移動すること)の手順は、転出と受け入れ先のそれぞれのレジストラ業者との組み合わせにより、いろんなパターンがあるので一概には言えませんが、webの森とクライアント様との間でやりとりしたメールを、一部伏せ字で事例としてご紹介します。このような方法が代表的なやりかたなので参考になると思います。
①ドメイン移管の依頼(A社からwebの森へ)
アトリエwebの森 小久江様
お世話になっております。A社の▲▲で御座います。
掲題の件、御社で管理しているお客様「●●●●」様のドメイン移管について確認が御座います。
現在御社で管理されている当該ドメインを弊社に移管する場合、必要な手続きや条件を確認するようにお客様から弊社へご依頼いた
※既にお客様から小久江様にご連絡済みとうかがっております。
もし移管が可能であれば、
まずは、オースコード発行までに必要な手続きをご教示ください。
②承諾の返信(webの森からA社へ)
▲▲様
初めまして。webの森の小久江由香と申します。
●●様より、移管の件伺っております。この度はお世話になります。
1)弊社で、example.comの管理者のアドレスを
▲▲様のメールアドレスに変更する
(管理しているのはスタードメインです。連絡がいくので承認お願
2)弊社で、ドメインのロックの解除と
オースコードを発行して、▲▲様へ連絡する
3)新しい管理会社にて申請をしていただく
4)ドメインの管理者が▲▲様のメールなので
そちらに移管の連絡がいくかと思いますのでそこで承認していただければ完了
この手順で良いでしょうか?
③手順の再確認(A社からwebの森へ)
A社の▲▲で御座います。ご回答ありがとうございます。本件手順のご確認ありがとうございます。恐れ入りますが下記でご対応いただけますと幸甚です。
1)⇒ mail@▲▲.co.jp 宛にお願いいたします。
2)⇒ 本メールに返信いただけますと助かります。
3)⇒ 承知しました。
尚、新しい管理会社=指定事業者は「株式会社◎◎◎」
4) ⇒ 承知しました。
③管理者アドレス変更の連絡(webの森からA社へ)
先程、1番の工程、
mail@▲▲.co.jp
様宛に、管理者を変更する処理をしました。
もしかしたらスタードメインから、連絡が上記アドレスに行くかもしれません。
確認できたらご一報いただけますでしょうか。
⑤管理者メール変更確認(A社からwebの森へ)
こちらメール変更についてスタードメイン社からメールを受信し、それがwhois上で反映されたことも確認済みです。
現状、whois代行設定がかかっていないことが確認できており
あとは「オースコード」と「ドメインロック解除」が確認できまし
まずは下記2)のオースコードご発行をお願いいたします。
※それと同時にドメインロック解除がされていない場合は解除もお
確認が出来次第、3)の移管申請を当社で行います。
⑥ロックの解除とオースコード発行の連絡(webの森からA社へ)
「※
お客様の受信可能なメールアドレスが登録されているかご確認くだ
とあるので、
ご確認お願いいたします。
⑦これから移管に入るという連絡(A社からwebの森へ)
本件ご対応ありがとうございます。無事にオースコードを取得いたしました。
また、ドメインロック解除、whois代行設定解除も確認済みで、管理メールアドレス、登録メールアドレスともに当社へ変更されていることも確認できました。
結果、当社で移管申請を行い、当社で承認処理ができる状態です。(特別なことがなければ)
結論、一両日中に移管前の準備を行い今週中に移管申請を行います。宜しくお願いいたします。
⑧受け入れ先レジストラで、移管申請する(A社が行う)
ここから先はA社の仕事になります。
A社が受け入れ先のレジストラ「株式会社◎◎◎」にて、移管申請をする。
その際、オースコードが必要になるのと、管理者メールアドレスが受け取れる状態にしていないといけません。
この手順の③にて、管理者アドレスをmail@▲▲.co.jp(A社の担当者様)のアドレスに変更しているので、担当社さんが自分で承認することができます。
この手順が、若干各社により様々で、管理者アドレスがクライアントの「●●●●」様が管理しているメールのままの場合は、●●●●様が承認作業を行っていただくことになります。
しかし、承認作業には期限があり、1週間も承認しないまま放置すると、最初から手順をやり直しになったり、何度もやり直して最申請したために、怪しいと思われてロックされてしまう場合もあったりで、注意が必要です。
あとは、レジストラ業者が海外の場合もあり、その場合は英語で承認のメールが送られてくるので、迷惑メールと勘違いされ、放置されてしまうリスクもあり、できれば管理者のメールは、私とかA社の担当者さんとか、プロの技術者のメールにしておいたほうが安心です。
(補足)ドメイン移管が失敗してしまう事例
今まで経験したドメイン移管が失敗してしまう事例をあげておきます。
- ドメインの切り替え期限が直近に迫っている場合(60日とか90日とか会社によって変わる)その場合はいったんドメインを更新して、(1年分余分にドメイン料を支払うことになりますが仕方ないので)期限を延ばしてから行います。
- 管理者アドレスだけでなく、すべてのメールアドレスを変えておかないといけない場合があります。
- レジストラ業者のいじわるかもしれませんが、我々業者にメールを変更したことで怪しまれて?ロックされてしまい、何度やっても失敗になり、結局断念したことがありました。そういう怪しい業者さんもあります。もしかしたら転出されないように嫌がらせかもしれません。その場合は、我々業者が代行しないで、面倒でもお客様に直接やってもらうほうが安全だったかもしれないです。
- 今回は弊社と、依頼してくるA社さんの間に知識の差がなかったのでうまくいきましたが、たまにまったく知識がなく変な依頼方法をしてくる業者さんもいて、その場合はとても苦労します。説明したり説得したりするのに・・・(苦笑)
- .com .net .co.jp など、私達日本人にはおなじみのドメインなら良いのですが、見たこともないドメイン(どこかの外国のマイナーなドメインとか)の方がいて、その場合は受け入れる先が対応してないなどの理由で移管できなかったことがあります。
- (これは失敗ではなく注意点ですが).com .net などは自由に移管できますが、.co.jpなど会社組織であることが証明されるドメインは、会社の登記簿などが必要で、上記とは若干手順が異なります。
ドメインは自分のもの、宝です。大事にしましょう。業者さんに任せっきりの方は一度ちゃんと所有権の確認を
最後にこれはとても残念なことですが、我々ウェブ制作業者の中にはとても悪質な業者もいて、出ていくお客様の邪魔をする業者がいます。
なにかと難癖をつけて、結局は転出させてくれず、ドメインをにぎられたまま、そのクライアント様は、業者を移転できません。
私が出会った人のなかでは「このドメインは私が先代の社長さんと作り上げてきたホームページのもので、渡すわけにはいきません」というわけのわからない理屈で、二代目社長が新しいホームページを持ちたいのに、渡してくれない業者がいました。
なんとか訴えることができないか、弁護士さんに相談したり、今保持しているレジストラ業者に直接かけあったりしましたが、ドメインの持ち主(つまりパスワードを持っている本人)が動かないことには動かすことができません。
結局、二代目社長さんは、そのドメインとホームページの更新をあきらめて捨てて、新しいドメインで新しいホームページを作りました。
これはひとつの店舗を失うくらいの財産の喪失です!
ドメインをイチからスタートさせるということは、今までやってきたSEO対策はイチからやりなおし。
つまり集客(アクセス)をゼロからスタートです。
グーグルアナリティクスにたまっている分析結果もイチからスタート。
検索すれば旧サイトのほうが上にあがってしまい、新サイトが上がってくるまでにはものすごく時間がかかります。
Googleに信頼されているのは古いドメインの方なので、新しいドメインを信頼してもらうのは長い根気のいる努力が必要です。
そして↓こちらもすごく痛いのですが・・・・・
お客様、取引先様、すべてにメールアドレスが変わったことの連絡と、すべての社員のPCにメールの再設定。
名刺も作り直し、パンフレットも作り直し、看板などにURLを入れている場合それも変更。
これが店舗(企業)にとってどれだけ、打撃かわかっていただけるかと思います。
ドメインは自分のもの、宝です。大事にしましょう。
業者さんに任せっきりの方は一度ちゃんと所有権の確認を。
本人が、お名前コムや、スタードメイン、ムームードメインなどでドメインを持っているのが一番安心ですが、毎年お金を振り込み忘れないように、パスワードもちゃんと管理する・・・をしないといけません。
webの森のお客様の中にはドメインを自分で管理するのもつらいので、すべてwebの森にお任せでお願い・・と依頼される方が多いです。
その場合は、「ドメインは預かりますが、お客様の持ち物なので、転出したい時はいつでも転出できます」という約束をしてもらわないといけません。善良な普通のウェブ業者さんはたいていこのスタンスなので、わざわざ言いませんが、そいういうことになっています(笑)
ただし、ドメインの移管にはたいてい費用がかかるので、預ける以上そこは納得して預けられると良いかと思います。
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