【保存版】Affinityで印刷データを作る方法|DTP・CMYK・解像度・PDF入稿まで

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「このデータ、このまま印刷会社に出して大丈夫かな…」
Affinityでチラシやパンフレットを作っていて、そう不安になったことはありませんか。

こんにちは、モモンガです。
CMYKって何?画像の解像度はどのくらい必要?塗り足しってどう設定するの?PDFはどの設定で書き出せばいいの?
印刷物を作ろうとすると、画面上のデザインとは違うルールが色々出てきます。

今日は、Affinityで印刷物を作り、実際に印刷会社へ入稿するまでに知っておきたい基本を、大きく3つに分けてまとめました。
動画も作ったので下記です。良かったら見てください。

第1章:Affinityで印刷物を作る場合のドキュメント設定

印刷物を作るときは、最初の「ドキュメント設定」がとても重要です。サイズだけでなく、カラーモード・解像度・塗り足しなどを、印刷用として正しく設定しておく必要があります。

RGBとCMYK、新規作成画面での見分け方

Affinityで「ファイル」→「新規」を開くと、左側にプリセットの一覧、右側に詳細設定が表示されます。プリセットの中でページサイズを選択する際、色の丸マークに注目してください。

  • 赤・緑・青の3色の丸が並んでいる → RGB(モニターで表示するためのもの)
  • シアン・マゼンタ・イエロー・黒の4色の丸が並んでいる → CMYK(印刷インクで再現するためのもの)

モニター表示や家庭用プリンターで出力するだけならRGB、印刷会社(ネット印刷)に出す場合は、必ずCMYKの印刷用プリセットを選んでください。

ドキュメント単位とDPI(解像度)

印刷用にA4などのページサイズを選ぶと、ドキュメント単位は自動的に「mm」になります(Web用やゲーム画面用のデータでは「px(ピクセル)」になります)。

続いて「DPI」の項目を確認します。DPIはドキュメントの解像度を示す数値で、高いほどきめ細かい印刷になります。

設定 数値 補足
Affinityのプリセット初期値 300DPI 「印刷」プリセット選択時
日本の印刷会社の一般的な基準 350DPI 最終的には印刷所ごとの規定に従う

カラープロファイルは「Japan Color 2001 Coated」

ネット印刷に出す場合、カラープロファイルは「Japan Color 2001 Coated」を選択してください。Windowsの一覧にこのプロファイルが表示されない場合は、Japan Colorの公式サイトからダウンロードし、所定のフォルダに入れてAffinityを再起動すると一覧に表示されるようになります(Macは標準で入っていることが多いです)。

アートボードではなく「複数ページ」を使う

Webデザインやバナー制作では「アートボード」を基本にしますが、DTP(印刷物制作)ではアートボードではなく「複数ページ」機能を使います。

  • 1ページのみ作る場合:「右開き」はオフ
  • 複数ページを作る場合:ページの綴じ方に合わせて以降の項目を設定(手順が複雑になるため、詳しくは折りパンフレット制作の動画で解説しています)

「裁ち落とし」の設定は、アートボードにはない機能です。複数ページ機能でページの裁ち落としを指定しておくと、写真をページの外側まで配置でき、印刷時に必要な「塗り足し」が作れます。これが、DTPで複数ページを使う理由です。

塗り足しは3mmが基本

家庭用プリンターで印刷するだけなら塗り足しは不要なことが多いですが、ネット印刷に出す場合は必ずオンにしてください。数値は3mmが標準です(デフォルトで3mmと入っていることが多いです)。

ドキュメント設定ができたら「ドキュメント作成」をクリックします。複数ページの調整をする場合は、スタジオを「レイアウト」に切り替えると、ページの追加や見開き(スプレッドを拡張)の設定が行えます。

第2章:モニターと印刷でどう違う?色と解像度の話

RGBとCMYKは、そもそも色の仕組みが違う

パソコンの画面で見ている色と、紙に印刷された色は、色を作る仕組みそのものが異なります。

  • モニター(RGB):光の三原色(レッド・グリーン・ブルー)。何もない状態が黒で、3色すべてが100%で混ざると白になります。
  • 印刷(CMYK):シアン・マゼンタ・イエロー・黒の4色のインクの掛け合わせで色を再現します。

同じ画像でも、ドキュメント設定をRGBからCMYKに切り替えると、見た目がかなり変わります。特にグリーンの発色や明るいブルーなどは、CMYKのインクでは表現しきれない色域があります。「デザインしていたときはあんなに綺麗だったのに、印刷して届いたら色がくすんでいた」というのは、この違いを知らないと起こりやすい失敗です。

色の指定は「CMYKスライダー」を使う

Webデザイン用のバナーなどはモニターで見ることが前提なので、カラーホイールなど好みのパレットを自由に使って構いません。しかし、印刷用データで色を指定するときは、CMYKスライダーを使うのが確実な方法です。

RGBやPantone(パントン)で指定した色を単純にCMYKスライダーに切り替えると、5%未満の低濃度なインク値になってしまい、色の濁りや発色の不安定さにつながることがあります。

なお、Affinityのスウォッチには最初からPantoneのパレットが入っていますが、これは印刷会社があらかじめ調合した「特色」専用インクを指定するためのもので、CMYKの4色掛け合わせ印刷とは仕組みが異なります。通常のCMYK印刷では使わないようにしましょう。

Affinityの画像解像度は「ドキュメントのDPI」に従う

ここが、他のDTPソフト(例:Illustrator)とAffinityの大きな違いです。

通常のDTPソフトは、配置した写真データ自体のDPI情報を読み取って画面上の大きさを決めます。しかしAffinityはドキュメント設定のDPIに従って画像が配置され、画像そのものの解像度情報は無視されます。

たとえば、ドキュメントが350DPIであれば、配置した画像がどんな解像度であっても、最終的な出力時には350DPIとして扱われます。逆に72DPIのドキュメントに配置すると、印刷時にぼやけてしまうため、ドキュメント自体を印刷に適した解像度(350DPI)にしておくことが重要です。

実際に、1400×1400ピクセルの正方形画像を使って検証すると、次のようになります。

ドキュメントの設定 配置される画像のサイズ
A4・350DPI 約10cm(101.6mm)
A4・72DPI 約50cm(493mm)

写真自体のピクセル数は同じでも、受け入れ側のドキュメント設定次第で、配置したときの見た目の大きさがまったく変わります。だからこそ、最初のドキュメント設定がとても重要なのです。

目安として、72DPIの画像でもピクセルサイズが4000×3000ピクセル程度あれば、350DPIに設定したA4キャンバスに配置したときに十分な解像度で印刷できます。逆に350DPIの画像でも、ピクセルサイズが100ピクセルしかなければ、小さいサイズでしかきれいに印刷できません。

ポイントは「画像自体のDPI表記」ではなく、「ドキュメントのDPI設定」と「画像の実際のピクセル数」です。

第3章:ネット印刷に対応したPDFへの出力設定

かつての印刷入稿はIllustratorファイルを推奨する印刷会社が多く、「Affinityではネット印刷できないのでは?」という質問をよく受けます。しかし現在は、ほとんどのネット印刷会社でPDF入稿が選択できるようになっています。

ここでは、印刷に適したPDFの書き出し設定を解説します(前提として、ドキュメント設定が正しくできていることが必要です)。

「ファイル」→「エクスポート」を選び、画像の種類はPDFを選択します。

基本はPDF/X-4

PDFにはさまざまな企画(規格)がありますが、印刷に最適なのは基本的にPDF/X-4です。ただし一部の印刷会社ではPDF/X-1a:2003を指定している場合もあるため、利用する印刷会社の入稿規定を事前に必ず確認してください。

書き出し画面の主な設定項目

項目 設定 補足
領域 全ドキュメント 見開きの場合は全てのスプレッド
ドキュメント解像度を使用 オン ドキュメント側で350DPIにしていれば自動で追従
画像のダウンサンプル オフ オンにすると最小DPIの設定項目が出るが、通常は不要
JPEG圧縮を許可 オン 品質は85程度が目安
互換性 変更しない PDF/X-4を選んでいれば自動でPDF/X-4になる
色空間 ドキュメントとして ここで切り替えると意図せず色が変わるため非推奨
ICCプロファイル ドキュメントプロファイルを使用 元のドキュメント設定が前提
ICCプロファイルを埋め込む オン デフォルトのままでOK
画像の色空間を変換 オフ 配置画像がRGBでもPDF/X-4なら印刷会社側でCMYKに変換してくれる
特色を有効化 オフ 特色をそのまま保持したい場合のみオン
オーバープリントブラック オフ 基本的に問題なし
ハイパーリンク/ブックマークを含める オフ 電子書籍用の設定のため印刷時は不要
裁ち落としを含める オン 塗り足し3mm分を含めて出力し、断裁ズレを防ぐために必須
プリンターマーク(トンボ)を含める オフ 現在は自動で断裁位置を判断してくれる。印刷会社の規定があればオンに
フォントを埋め込む 全てのフォント サブセットフォントは必ずオンに

これで書き出しボタンを押せばPDFが完成し、ネット印刷会社に入稿できる状態になります。

↓完成時スクショ:クリックで拡大します

まとめ

  • ドキュメント設定:カラーモード・DPI・カラープロファイル・複数ページ・塗り足しを、最初にまとめて正しく設定する
  • RGBとCMYK:仕組みが違うので、印刷用データは必ずCMYKで作る。色の指定はCMYKスライダーで
  • 画像解像度:Affinityは画像自体のDPIではなく、ドキュメントのDPIに従って配置される点に注意
  • PDF書き出し:基本はPDF/X-4。裁ち落としを含める、フォントは全て埋め込む

実際の入稿では、利用する印刷会社によって指定される設定が異なる場合があります。最終的には必ず、その印刷会社の入稿ガイドを確認してください。とはいえ、「なぜこの設定が必要なのか」という基本を理解しておくと、印刷会社の説明も格段に読みやすくなります。

Affinityでチラシやパンフレットを作ってみたい方は、ぜひ今回の内容を基本として押さえておいてください。

あわせて読みたい:Affinityの基本を体系的に学べる一冊

今回の内容は、大間知 聡(おおまち さとし)さんから講習で教わったDTPの基本を、私なりに整理してお伝えしたものです。その大間知さんが手がけた解説書が、マイナビ出版から発売されています。

『Affinity制作入門』(マイナビ出版・大間知聡 著)

Affinityのインストールから、ユーザーインターフェイス、基本的なツールの使い方、写真加工、デザイン制作、そして印刷物の制作まで、Affinityの基本を順番に学べる一冊です。

  • ロゴマークや地図の制作
  • YouTubeサムネイルの作成(写真補正・合成・文字装飾のテクニック)
  • A4三つ折りパンフレットの制作(基本操作から手順までじっくり確認できる)

など、これまでIllustratorで行っていたような制作を、Affinityでどう作るか実践しながら学べる構成になっています。

なお、本の中に登場する作例デザインを、今回私、モモンガが担当させていただきました。

Web上には断片的な情報はたくさんありますが、1冊にまとまっていることで、基本から順番に確認でき、「あれ、どうやるんだっけ」と思ったときにもすぐ見返せます。Affinityをこれから始める方はもちろん、なんとなく使えるようになったけれど一度基礎から整理したいという方にもおすすめです。

▶ Amazonで見る

※この記事・動画は書籍の内容をそのまま解説したものではありません。以前、大間知さんからDTPについて講習で教えていただいた内容をベースに、独自に整理してお伝えしています。実際の書籍とは説明の仕方や構成が異なる部分があります。

関連動画

Affinityで三つ折りパンフレットを作る(DTPの基本が全部入った改訂版)

Affinity関連動画 再生リスト
https://www.youtube.com/playlist?list=PLfgFrpfEwvCxac6yOS5CNjMXpdFhn3Mlf

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