(WEB制作入門5)ショッピングカートって何?

WEB制作入門1から4までで、独自ドメインの大事さ、WordPressがどれだけすぐれているかを書いてきました。
今回はショッピングカートについてです。
ネットショップを運営しようとしたら、やっぱりショピングカートがついたHPでないと不便です。

問い合わせフォームで販売する場合のデメリット

ショッピングカートがついてないHPでものを販売するには、問い合わせフォームをつけるか、FAX受注票をおいて、そこに記入してもらって、FAXで受注する、または電話で注文を受けるという方法があります。
この方法のデメリットは下記になります。

  1. お客さんのデータはメールにやってくるので、自分でExcelなどで別途顧客リストをつくって管理しないと、一件一件、お礼のメールを送ったり、発送の伝票を手打ちで作ったり手間がかかる。
    この、会員データが自動でたまっていかないというのはかなりのデメリットです。
    今までの顧客が、その場限りの「ご購入ありがとうございました。ではさよなら~」一見客ばかりで、どんどん通り過ぎていくだけです。
  2. お客さんは、そのサイトが好きで何度も来て何度も買い物をしてくれたとしても、毎回自分の住所を書いて、何が欲しいかを書いて注文メールを送らないといけない(つまりリピーターができにくい)
  3. その場で商品をカゴにいれた場合、自動で合計金額を出してくれないので、注文がきてから返信で「ありがとうございます。合計金額はいくらになります、ここにお振り込みください、振り込みが確認後に発送いたします」と送らないといけない。
  4. 注文が完了しても、本当に購入できたのか、結局いくらなのかお客さんはわからないので、返信が来るまで不安にさせてしまう
  5. 買い物カゴがないということは、決済も自動でできないので(送料計算もできませんから合計額出せませんよね)つまりクレジット決済や自動での代引き発送通知ができないので、お客さんに不便をおかけしてしまう。

どうですか?こんだけデメリットがあったら、ショッピングカートなしでものを販売するなんて、ありえん!って思いますよね?

ショッピングカートをレンタルする場合

ASPサービスとは、ショッピング専用サイトを作るための機能が最初から丸ごとはいったサーバーをレンタル出来るところです。
月額1000円程度の安いところから20000円くらいのところまで様々ですが、少々高くても安心して利用できるサービスを使った方が良いと思います。
ASPサービスを使う場合は、最低限、独自ドメインだけは取得しましょう。
何かあってサイトを引っ越ししなければならなくなった時に、独自ドメインを持ってないとすべてをそこに置いて出てくる(今まで積み上げてきた実績を放棄して・・)ということになってしまいます。

shop01

レンタルショッピングカート(ASPサービス)の一例

おちゃのこネット
2016-09-08_025445

FutureShop2
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makeshop
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無料ショッピングカートで販売する場合のデメリット

世の中には無料で利用できるショッピングカートのサービスがあります。
でもわたしは、過去に知人が、ゼロなんとかという無料ショッピングカートを使っていて、そのカートが閉鎖してしまい途方に暮れていたのを知っているので、無料サービスなんて絶対やめましょうってアドバイスしています。

無料でサービスをするということは何かその会社にメリットがないとだめなわけですよね?
それは、無料を入口にして、上位プランにあげてもらおうという方法かもしれませんが、無料なだけに、いきなり終了しちゃっても文句は言えません。

WordPressで自分で作っていれば、たとえサイト制作者さんがいなくなったとしても、別の業者さんに引き継いでもらうことは可能です。(よその方が作ったサイトを引き継ぐのは、どういう作り方をしているのか調べるところから入るのでとても大変なんですが・・・でもなくなってしまうような悲劇はないです)

ネットショップを開くには、特定商取引法表示を入れたり、送料設定したり、カートの設定をしたり、商品登録をしたり、それはそれは大変な手間と苦労がかかります。
その苦労が、利用していたサービスの停止で、パーですよ!ありえないですよね!

WordPressにカートだけ別途つける方法

WordPressにはメリットがたくさんありますが、ショッピングカートにするには機能が全然足りません。
なのでWordPressにネットショップをつけようと思ったら、カートから先を、ショッピングカート追加でくっつけるという方法があります。

この場合、商品一覧ページと商品個別ページをどちらのシステムで作るかが問題です。

商品ページをWordPressで作るということは、同じドメインの中に商品ページができるので、そのぶんサイト(ドメイン)の中にお宝が増えていくことになり、サイトに厚みがでて、SEO対策にもとても良く、集客効果ものぞめます。
こちらのサイトがその事例です。
WordPressで商品ページを作っています。

この北信州こやなぎファームさんのサイトはWordPressで作っています。ですがカートは別システム(EC-CUBE)で作られており、WordPressの中にコードで埋め込まれています
screencapture-koyanaginouen-shop-tokubetu-html-1473268739655

デメリットとしては、スタッフさんが自分で商品を追加しても自動でここに出ません。
別途、WordPressのコードがわかる業者さんに、そのたびに商品を出してくださいと頼まないといけません。
つまり、ランニングコストがかかります。

ショッピングカートを作るサービスには、EC-CUBE、エクスカート、ショップサーブ、makeshop、カラーミー、おちゃのこ、FutureShop、このようなサービスがありますが、どのサービスにもたいてい、カートを作ったらコードを発行するボタンがついていて、そのカートのコードをサイトに埋め込むことで、このように、商品一覧ページや、商品購入ページを手作りすることができます。

上記のこやなぎファームさんはその方法で作られています。

メリットとしては、後述するEC-CUBEでサイトをまるごとつくる方法よりは安く構築できることです。
そして、カートの機能に満足いかなくてカートののり換えをする場合も、比較的楽に移動できます。
本体サイトがWordPressで作ってあるので、カート部分以後の変更をするだけで良いからです。
上記のお米のサイトのように、あまり商品の入れ替えが激しくない、商品点数が数百点などの大規模じゃないサイトの場合はこの方法でも十分に良いかと思います。

商品ページをEC-CUBEで作って、ブログだけをWordPressにする方法

一方、商品ページをEC-CUBEで作って、ブログだけをWordPressにする方法があります。
EC-CUBEもWordPressも両方、オープンソースという無料のプログラムなので、スキルのある人でしたら、自分で設置できます。
これをひとつのレンタルサーバーの同じ独自ドメインの領域に連携させるのです。
(よく意味がわからない場合はこのシリーズの次の記事も合わせて読んでみてください)

南アルプス直送便さんのサイトは、この方法で作られています。

2016-09-08_022800

管理画面の商品登録から、商品を登録すると、ここの一覧に自動で出てきます。カテゴリに分類することもできます。
screencapture-koike-factory-products-list-php-1473269325869

EC-CUBEの管理画面です

商品ページのアドレスも
http://koike-factory.com/
自社ドメインの中です。大事な商品のデータが別ドメイン(外部のショッピングカート)になってしまうのはちょっともったいない・・・・
2016-09-08_023704

この方法のデメリットとしては

  1. 初期構築に費用がかなりかかります。webの森の場合は最低50~60万円以上はかかります。(写真も撮ったり、商品登録をこちらでお手伝いする場合、最終的には70~80万円くらいいく場合があります)ショッピングカートをレンタルしたほうが簡単で早く始められます。
  2. カートはシステムなのでいろんなパターンを想定して動作確認をせねばならず、もし贈答なのに代引きを選んでしまったら贈答先に代引きの人がお金を集金に行ってしまったら困りますよね?
    もし一人の人が買い物途中で戻るボタンを押してフォームがエラーになってしまい、またカートに戻ってきた時に商品がそこに入ってないと困りますよね?
    もし、パスワードを忘れたらパスワードを再発行するためのしくみを作らないといけませんよね?
    その他、支払い方法選択画面、マイページ登録画面、マイページでの情報変更画面、贈り先を別の人にする場合の画面、買い物完了画面、大変たくさんの画面について、全部動作確認とエラーがあったら修正、デザインはどうするか?
    ひとつずつ決めていかないといけません。そんあわけで大変な手間と費用がかかることがお分かりいただけるかと思います。
  3. これがレンタルショッピングカートですと、たいてい、使いやすいテンプレートが用意されていて、動作確認もほとんど誤動作なく、ちゃんとしくみが整っています。
    その代わり毎月のショッピングカートのレンタル料がかかってきます。レンタル料は、安いところはやっぱりそれなり、高いところは高機能です。
    安いところと高いところの違いをヒトコトで言えば、拡張性です。
    高いところは、費用を追加さえすれば、どんどん高機能の大手サイトのようなネットショップに育てることができますが、安いところはお手軽に始められますが、それなりというか、ある上限で、ストップします。
    月商100万円以上が目標なら高機能のカートを使ったほうが良いです。
  4. WordPressと同じで、独自に構築するシステムなので、サイトの保守管理をする人が必要になります。
    自社に管理できるスキルのある人がいない場合は、外注しないといけません。webの森の場合は、7000円くらいの基本保守費がかかります。
    ショッピングカートは、通常のウェブサイトとちがって、大変たくさんの機能を備えているので、いろんな調整が必要になることがあり、手間がかかるので、WordPressよりは、保守費が高くなってしまいます。

独自でシステムを作るのは大変ですが、間借りしたマンションの中のお店や、デパートの中のお店より、やっぱり自宅の横に自分のお店を建てたい・・・と思ったら、独自ドメインで、しかも自分でレンタルしたサーバーの中のネットショップになります。

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